
公開: 2026年5月19日約 5 分
結論: クマを見たら、緊急度に応じて110 番(警察)/ 119 番(救急)/ 市町村役場を使い分けます。 人身被害がある or 市街地で目撃 → 110 番。山中での目撃 → 市町村の鳥獣担当または専用フォーム。 痕跡だけ → 市町村に翌日でも OK。本ガイドで通報の判断基準と伝えるべき情報を整理します。
緊急度別の連絡先早見表
| 状況 | 連絡先 | 緊急度 |
|---|---|---|
| 人がクマに襲われた | 119(救急)+ 110(警察) | 最優先 |
| 市街地・住宅地でクマを目撃 | 110(警察) | 最優先 |
| 学校・通学路・公園でクマ目撃 | 110 + 学校 + 市町村 | 高 |
| 登山中・里山でクマを目撃 | 市町村(鳥獣担当)or 専用フォーム | 中 |
| フン・足跡・爪痕などの痕跡を発見 | 市町村(翌日でも可) | 低 |
| 農作物・養蜂が被害を受けた | 市町村(農林課)+ JA | 中 |
110 番(警察)に通報すべきケース
警察への通報は 人身被害が発生した場合、または市街地・住宅地・通学路など人通りのある場所でクマを目撃した場合に行います。警察が現場到着し、市町村・猟友会との三者連携で対処します。
110 番が必要な具体例
- 人がクマに襲われた(自分・他人を問わず)
- 住宅地・市街地の路上でクマを目撃
- 学校・幼稚園・公園・スーパー駐車場で目撃
- 家屋・畜舎にクマが侵入
- クマに追跡されている・接近されている
- 子供・高齢者が危険にさらされている
110 番は携帯・固定電話どちらからでも繋がります。 市街地での目撃は 通報した時点で警察が周辺住民への注意喚起を始めるため、 「迷ったら通報」が原則です。
119 番(救急)が必要なケース
119 番は 人身被害が発生し、医療的処置が必要な場合に通報します。クマによる外傷は深く、感染症リスクも高いため、軽傷に見えても救急要請を優先してください。
- 出血を伴う外傷
- 顔・首・頭部を負傷
- 意識が混乱している・ショック症状
- 骨折・脱臼の疑い
- 多発外傷(複数箇所の傷)
- 感染症リスクのある傷(クマの爪・歯による)
119 番した後は 110 番にも連絡してください(同時通報が原則)。 詳細な応急処置の手順は クマに襲われた後の応急処置と通報を参照してください。
市町村役場に通報するケース
市街地ではない山中・里山・農地で目撃した場合、市町村役場の鳥獣担当課に通報します。通常、平日昼間は役場、夜間・休日は警察経由で受け付けます。
市町村への通報が適切なケース
- 登山中にクマを目撃
- 里山・林道で目撃
- クマの痕跡(フン・足跡・爪痕・木の損傷)を発見
- 農作物・養蜂被害を確認
- 過去の目撃場所を再訪して活動の兆候を確認
担当部署は自治体によって名称が異なりますが、典型的には「農林課」「環境課」「鳥獣対策室」「産業振興課」などです。電話する際は「クマの目撃情報の通報」と伝えれば適切な部署に転送されます。
通報時に必ず伝える情報
通報の質が対応の質を決めます。次の情報を準備してから電話するとスムーズです。
場所
- 市町村名 + 地区名(〇〇市〇〇町〇〇)
- 目印(学校・神社・コンビニ・道路標識など)
- 住所が不明な場合は 緯度経度(スマホの地図アプリで取得可)
クマの情報
- 目撃時刻
- クマの大きさ(成獣 / 仔グマ / 親子連れか)
- 移動方向
- 行動(採食中 / 移動中 / 攻撃的)
- 距離(自分との距離)
- 頭数(複数か単独か)
自分の情報
- 氏名・連絡先
- 現在地・現在の安全状況
- 負傷の有無
写真・動画撮影の注意
証拠として写真・動画が残せれば対応の質が上がりますが、安全が最優先です。
- 近距離(30m 以内)では撮影しない — 即座に距離を取る
- 遠距離(50m 以上)で安全が確保できる場合のみ撮影
- フラッシュ・音声を OFF — クマを刺激しない
- 痕跡(フン・足跡・爪痕・木の損傷)は安全に撮影可能
- 撮影した位置を スマホの地図アプリで記録(緯度経度を控える)
- SNS への投稿前に 位置情報メタデータを確認・編集
通報後の流れ
通報後、状況に応じて以下の対応が取られます。
- 市街地・人身被害の場合: 警察出動 → 市町村・猟友会の招集 → 警戒態勢
- 住民への注意喚起: 防災行政無線・防災メール・町内会回覧
- 学校・通学路の場合: 集団下校・パトロール強化・臨時休校の検討
- 追跡・追払い・捕獲の判断: 自治体・猟友会・警察の三者協議
- 必要に応じて自衛隊派遣要請(2025 年改正法で市街地での猟銃使用が一部容認)
対応の法的枠組みは クマと関わる法律、駆除をめぐる議論は 駆除をめぐる議論を参照してください。
オンライン通報フォーム
多くの自治体・都道府県がオンラインの目撃情報投稿フォーム・LINE 連携を整備しています。 緊急時は電話を優先しますが、目撃の事後報告にはオンラインが便利です。
- 各都道府県の専用フォーム: 「{県名} クマ 目撃情報 投稿」で検索
- 市町村の LINE 公式アカウント: 札幌市など複数自治体で運用
- くまっぷ・くまMap など民間アプリ: 住民投稿型
- KumaWatch の投稿機能: 出没情報の投稿
ただし オンライン通報は緊急時の代替にはなりません。 市街地での目撃・人身被害は必ず電話で 110 番してください。
- Q.クマかどうか分からない場合でも通報すべき?
- A.迷ったら通報してください。「カモシカと間違えた」「イノシシだった」場合も警察・市町村は対応に慣れています。誤通報のペナルティはありません。
- Q.夜間・休日でも市町村に連絡できますか?
- A.夜間・休日は役場が閉まっていますが、人身被害や市街地目撃は 110 番すれば警察経由で関係部署に連絡が回ります。山中での目撃のみであれば、翌日の業務時間に役場に連絡で問題ありません。
- Q.目撃情報を KumaWatch に直接投稿できますか?
- A.はい。出没情報の投稿からどなたでも投稿できます。ただし緊急時は必ず先に 110 番してください。投稿情報は KumaWatch のデータベースに反映され、近隣ユーザーの参考情報になります。
- Q.通報した目撃情報は公開されますか?
- A.市町村経由の場合、自治体の公開判断によります。多くは公式ページ・防災メールで匿名化して公表されます。KumaWatch では各自治体の公開情報を統合してマップ表示しています。
- Q.他人が襲われているのを目撃したら?
- A.自分の安全を最優先に。建物・車内に避難してから 119 + 110 番。 クマがその場を離れた後に救助に向かう。クマがまだ近くにいる場合は無理に救助せず、警察・救急の到着を待ちます。詳細は 応急処置と通報を参照してください。
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この記事は KumaWatch 編集部が執筆しました。実際のクマ対策にあたっては、各自治体の最新情報・専門家の指示・現地ガイドの判断にも従ってください。
