週次レポート対象期間: 2026年9月14日〜2026年9月21日·公開: 2026-09-22·研究・知見トップへ
都道府県別の出没件数2026年9月14日〜2026年9月21日
北海道
108
宮城県
78
青森県
58
福島県
44
山口県
30
栃木県
25
岩手県
24
長野県
24

ほか 23 県で計 197 件

期間内の合計 588 件(KumaWatch 収集データに基づく集計・単位: 件)

1. 概況と統計分析

2026年9月14日から9月21日の集計期間において、記録されたクマの出没・痕跡・捕獲事案は総計588件であった。情報ソースの内訳は、報道由来(URLあり)が405件を占めたほか、北海道(33件)、青森県(kumalog-aomori 29件)、宮城県(miyagi-r8 23件)、山口県(14件)、福島県(10件)、島根県(10件)などの自治体・地域別オープンデータや各種マップ情報から構成されている。公式発表事案は0件、報道由来が中心となっている。

都道府県別の出没件数上位は、北海道が108件で突出しており、次いで宮城県が78件、青森県が58件、福島県が44件、山口県が30件、栃木県が25件、岩手県が24件、長野県が24件、島根県が23件、山形県が21件を記録した。北日本および東北各県での活発な動きに加え、本州中西部や中国地方(山口・島根・広島)でも継続的な活動が確認されている。

事案の内容別キーワード抽出では、人身被害キーワードに一致した事案は0件であり、直接的な人的負傷事故は回避された。しかし、都市部キーワードに一致した事案が39件、捕獲・銃猟キーワードに一致した事案が6件確認されている。市街地への近接や住宅敷地内への侵入、学校周辺への出没など、人間社会の生活中枢に野生個体が深く侵入する事例が目立っており、潜在的な接触リスクは高水準で推移している。

都道府県報告件数主要発生地域事案の特徴・被害傾向
北海道108件中富良野町、滝上町、愛別町、仁木町など住宅至近でのヒグマ目撃が頻発。人里周辺での活動が継続
宮城県78件涌谷町、美里町、仙台市太白区、大崎市など駅周辺、市街地住宅街の路上での出没が集中発生
青森県58件三沢市、六戸町、中泊町、東通村など駅方面への移動目撃や幹線道・集落内での出没
福島県44件会津若松市、いわき市など町部住宅地での目撃、複数頭(親子等)での出没
山口県30件岩国市、防府市、周南市、山口市など有害鳥獣捕獲許可による個体捕獲、集落近接での痕跡
栃木県25件栃木市、日光市、鹿沼市、佐野市など駅周辺、市街化調整区域および山間集落での出没
岩手県24件盛岡市、宮古市、花巻市など住宅地緑地、スーパー付近、幼獣目撃の多発
長野県24件松本市、中川村、信濃町、富士見町など県道での車両衝突、小学校近隣での親子グマ出没

2. 主要トピック

トピック1:生活中枢・駅前・商業施設近傍への侵入激化

今期は一般的な山間部にとどまらず、都市近郊や交通結節点、商業施設周辺など、人の往来が密な拠点へのクマの侵入が複数報告された。宮城県涌谷町ではJR上涌谷駅付近での目撃が相次ぎ(※4、※7)、美里町や大崎市でも住宅街の路上で出没が確認された(※5、※8)。仙台市太白区の住宅地でも単独個体の目撃があった(※6)。また栃木県栃木市では静和駅付近での目撃(※9)、岩手県宮古市ではスーパーマーケット付近での出没(※3)、青森県三沢市では駅方面へ移動する個体が目撃されている。これらのエリアは住民や利用者の警戒レベルが山林ほど高くなく、突発的な遭遇事故への懸念が強い。

トピック2:学校敷地および通学路周辺における出没事案

教育施設の至近や敷地内における出没・痕跡確認が広範囲で発生した。長野県中川村では小学校至近において親子のクマが目撃され(※14、※15)、児童の登下校時間帯における危険性が懸念された。秋田県仙北市では角館小学校付近の立木に登るクマが確認された(※18)。さらに群馬県中之条町では中之条中学校のテニスコート付近をクマが疾走したほか、新潟県長岡市では秋葉中学校敷地内からクマのものとみられる糞が確認されている。児童・生徒の安全確保に向け、登下校時の見守り体制や施設周辺の藪の刈払いなど、防護策の徹底が求められる。

トピック3:農業生産への深刻な被害と自治体議会の対応

野生動物による農作物被害の規模拡大も深刻化している。広島県三次市では、1軒の果樹園においてナシが5,000個以上食害される甚大な被害が判明した(※23)。連日のクマ出没により農業経営への打撃が極めて大きくなったことを受け、三次市議会は対策強化を求める緊急決議を採択する事態に発展した。秋期の果樹や農作物はクマにとって誘引性が極めて高く、電気柵の設置や収穫残渣の適切な管理といった物理的防除の再構築が急務となっている。

トピック4:住宅敷地内出没に対する緊急銃猟駆除と有害捕獲

市街地・居住エリアへの過度な接近に対し、法的手続きに基づいた捕獲・駆除措置が実施された。山形県酒田市では住宅敷地内にクマが侵入し、人的被害を未然に防ぐため緊急銃猟による駆除が行われた(※1)。一方、西日本エリアでも捕獲が進められており、三重県大紀町の集落際で1件の許可捕獲がなされたほか、山口県岩国市美和町および防府市大字真尾において鳥獣保護管理法に基づく有害鳥獣捕獲許可による捕獲が記録された。居住空間に定着・執着する個体に対する迅速な排除対応が現場で機能していることがうかがえる。

トピック5:交通インフラ・著名観光地における危険事象

道路交通および観光地での遭遇事案も際立った。長野県松本市の県道では、体長約1.5メートルのクマが走行中の乗用車に向かって突進し、ボンネットに覆いかぶさるように体当たりして車両の一部を破損させる衝突事案が発生した(※28)。また、東京都八王子市では著名な観光地である高尾山の登山道およびその近傍でクマが目撃され(※26、※27)、多数の登山者が利用するハイキングコースにおける安全管理に緊張が走った。

3. 地域別動向

北海道・東北ブロック

北海道では108件の事案が集計され、中富良野町(※10)、滝上町(※11)、愛別町(※12、※13)、仁木町など道内各地の住宅至近でヒグマの出没が相次いだ。宮城県(78件)では涌谷町や美里町、大崎市、仙台市太白区などで住宅密集地への出没が集中した。青森県(58件)では三沢市大町で駅方面への移動、六戸町折茂(※25)、中泊町今泉、東通村小田野沢で出没が記録された。福島県(44件)では会津若松市一箕町松長下長原(※20)やいわき市植田町(※21、※22)で町部への侵入が確認されている。岩手県(24件)では盛岡市の住宅地緑地(※2)や宮古市の商業施設(※3)、花巻市石鳥谷町での出没が継続した。山形県(21件)では酒田市上安町・北新橋の住宅街での頻出や敷地内での緊急銃猟駆除(※1)、鶴岡市湯野浜(※16)や庄内町(※17)での住宅近接目撃が顕著であった。

関東・甲信越ブロック

栃木県(25件)では栃木市藤岡町(※9)、日光市足尾町・木和田島、鹿沼市久野、佐野市など広範囲で活動が報告された。長野県(24件)では松本市の車両衝突(※28)に加え、中川村の小学校周辺での親子グマ(※14、※15)、信濃町IC付近(※29)、富士見町の住宅裏手での目撃があった。新潟県では長茂市で住宅街付近の目撃(※2)、長岡市松尾地内(※24)や小千谷市、糸魚川市柵口での出没のほか中学校敷地での糞が確認された。群馬県では安中市松井田町、高崎市中室田町、下仁田町西野牧、中之条町中学校敷地で出没。首都圏近郊では、東京都八王子市高尾山(※26、※27)、日の出町平井、あきる野市菅生、神奈川県相模原市緑区(鳥屋・長竹)、清川村宮ヶ瀬霊園、埼玉県秩父市荒川日野や小鹿野町で確認されている。

北陸・東海・近畿・中国ブロック

中国地方では山口県(30件)で岩国市・防府市での捕獲、周南市長穂・鹿野下での出没痕跡が報告された。島根県(23件)では浜田市弥栄町や益田市(左ケ山町、黒周町、馬谷町)で市道横断や農地への接近が多発。広島県では三次市での大規模ナシ食害(※23)や廿日市市(原宇治久保、津田)、大竹市での痕跡確認があった。近畿地方では京都府南丹市美山町、綾部市、亀岡市、京丹後市、兵庫県丹波市、加東市、豊岡市、和歌山県日高川町・紀美野町・かつらぎ町、奈良県下北山村、大阪府豊能町で出没。北陸・東海では富山県(小矢部市、立山町室堂平、富山市)、福井県(あわら市、若狭町、美浜町、鯖江市)、岐阜県(東白川村、飛騨市、郡上市、揖斐川町)、三重県(大紀町、大台町)、愛知県(豊田市山中)で目撃・痕跡・捕獲が報告されている。

4. 注目事案の時系列整理

期間内に発生した重要事案(緊急銃猟、車両衝突、市街地・駅前侵入、農業被害等)を時系列で整理する。

  • 9月14日:【広島県三次市】果樹園でナシ5,000個以上の深刻な食害被害が判明。市議会が対策強化の緊急決議を採択(※23)。
  • 9月14日:【長野県松本市】県道で体長約1.5メートルのクマが乗用車に突進。ボンネットに覆いかぶさり車両が一部損壊(※28)。
  • 9月14日:【長野県中川村】小学校至近において親子のクマが目撃される(※14、※15)。
  • 9月14日:【島根県浜田市】市道を横断する体長約1メートルのクマを目撃。近隣農地でも出没が継続(※10)。
  • 9月16日:【宮城県涌谷町・美里町・仙台市・大崎市】JR上涌谷駅周辺(※4、※7)や住宅街の路上(※5、※8)、太白区住宅地(※6)でクマの目撃が集中。
  • 9月16日:【東京都八王子市】高尾山の登山道にクマが出没(翌17日にも付近で目撃)(※26、※27)。
  • 9月16日:【秋田県仙北市】角館小学校付近の木に登っているクマが目撃される(※18)。
  • 9月16日:【三重県大紀町】集落際において鳥獣保護管理に基づく許可捕獲を実施。
  • 9月17日:【栃木県栃木市】藤岡町・東武日光線静和駅付近の市街地近接エリアでクマが目撃される(※9)。
  • 9月17日:【山口県岩国市・防府市】農地・集落周辺において有害鳥獣捕獲許可による個体捕獲を実施。
  • 9月18日:【群馬県中之条町】中之条中学校のテニスコート付近を走るクマが目撃される。
  • 9月20日:【山形県酒田市】住宅敷地内に侵入したクマに対し、緊急銃猟による駆除を実施(※1)。
  • 9月21日:【岩手県宮古市】スーパーマーケット付近でクマが目撃される(※3)。
  • 9月21日:【新潟県加茂市】住宅街付近でクマの目撃情報が報告される(※2)。

5. 週次評価

リスク全体傾向

本報告期間(9月14日〜21日)の総件数は588件に達し、依然として極めて高い出没圧力が継続している。幸い人身被害の発生は0件に抑えられたが、都市部・住宅街への侵入が39件に上り、駅周辺や商業施設、学校敷地といった人間社会のコアエリアへの接近が常態化している。特に秋季の採食期に入り、果樹園(広島県三次市でのナシ被害など)や人家周辺の結実木を目指した行動が活発化している。山形県酒田市で発生した住宅敷地内での緊急銃猟駆除のように、市街地内部で個体を排除せざるを得ない危険な局面が増加傾向にある。

次週の警戒ポイント

  • 通学路・教育施設周辺の監視強化:小中学校の敷地や通学路での目撃が相次いでいるため、登下校時間帯のパトロールおよび児童・生徒への遭遇回避教育の継続が必須である。
  • 駅周辺・商業エリアでの突発的遭遇への警戒:宮城県や栃木県などで見られた駅前・スーパー近隣での出没に対し、自治体・警察・交通機関が連携した迅速な情報周知体制を要する。
  • 果樹園・農業集落における誘引源管理:秋果実の収穫期を迎え、電気柵の適切な電圧管理と未収穫果・落果の即時回収を徹底し、集落への誘引を遮断する必要がある。
  • 道路通行時の衝突事故防止:長野県松本市のような車両への突進・体当たり事案を踏まえ、山間部および緑地沿いの幹線道路走行時は夜間・薄明薄暮時間帯の減速運転が推奨される。
  • 市街地侵入時の捕獲・銃猟安全管理:住宅敷地内出没に対する緊急銃猟の判断基準の再確認と、麻酔銃や捕獲檻を含む多段階の排除態勢の点検が求められる。

参考文献

  1. 住宅敷地内でクマ目撃、緊急銃猟で駆除 — news
  2. 住宅街付近でクマ目撃 — news
  3. 宮古市のスーパー付近でクマ目撃情報 - 岩手日報 — news
  4. JR上涌谷駅付近でクマ目撃 — news
  5. 住宅街の路上でクマ目撃 — news
  6. 太白区の住宅地でクマ1頭目撃 — news
  7. JR上涌谷駅付近でクマ目撃 (2) — news
  8. 住宅街でクマ目撃相次ぐ — news
  9. 藤岡町・静和駅付近でクマ目撃 — news
  10. 市道を横断する体長1メートルのクマ目撃 2日前には付近の住宅農地でも目撃情報 14日、島根県浜田市(山陰中央新報) - Yahoo!ニュース — news
  11. 住宅付近でクマ目撃 (中富良野町) — news
  12. 住宅付近でクマ目撃 (滝上町) — news
  13. 住宅付近でヒグマ1頭目撃 (愛別町) — news
  14. 住宅付近でヒグマ1頭目撃 (愛別町・2) — news
  15. 小学校近くで親子のクマ目撃 (長野県中川村) — news
  16. 小学校近くに親子のクマ (長野県中川村・2) — news
  17. 湯野浜の住宅敷地内でクマ目撃 — news
  18. 住宅近くでクマ目撃 (山形県庄内町) — news
  19. 学校付近の木にクマ (秋田県仙北市) — news
  20. 富士北麓公園付近でクマの目撃情報 — news
  21. 一箕町松長下長原でクマ出没 — news
  22. いわき市植田町で熊と思われる動物目撃(福島民報) - Yahoo!ニュース — news
  23. 植田町本町三丁目でクマ目撃 — news
  24. 深刻 クマ連日出没 1軒の農園だけでナシ5000個以上被害か…対策強化求め緊急決議 広島・三次市議会 - au Webポータル — news
  25. 【クマ目撃情報】長岡市松尾地内でクマ1頭目撃 民家近くで警戒呼びかけ - 新潟ニュース NST — news
  26. 折茂でクマ出没 (青森県六戸町) — news
  27. 高尾山の登山道にクマ出没 — news
  28. 高尾山の登山道付近でクマ1頭出没 — news
  29. 「クマが乗用車に体当たり…」体長約1.5メートルのクマがボンネットに覆いかぶさるように…長野・松本市の県道「車にクマが向かってきた」30代男性が通報、車の一部壊 — news
  30. 「クマ2頭を見た」信濃町IC付近で住民が目撃 親子か 発見に至らず 警察が注意呼びかけ 長野・信濃町(NBS長野放送) - Yahoo!ニュース — news

監修・編集
執筆
AI(大規模言語モデル)による情報集約
監修
獣医工学ラボ(リサーチコーディネート株式会社)
対象期間
2026年9月14日〜2026年9月21日
公開日
2026-09-22
最終更新
2026-09-22
データ範囲
KumaWatch sightings.json (内部集計データのみ)

本記事は、KumaWatch が収集した出没データを LLM が分析・文章化した内容を、獣医工学ラボの獣医師が確認・編集の上で公開しています。事実関係に誤りを発見された場合は contact@research-coordinate.co.jp までご連絡ください。