週次レポート対象期間: 2026年10月19日〜2026年10月26日·公開: 2026-10-27·研究・知見トップへ
都道府県別の出没件数2026年10月19日〜2026年10月26日
北海道
93
京都府
66
栃木県
53
埼玉県
41
山口県
37
兵庫県
36
神奈川県
31
福井県
28

ほか 24 県で計 275 件

期間内の合計 660 件(くまウォッチ収集データに基づく集計・単位: 件)

1. 全体集計概要と全国的傾向

当該集計期間(2026年10月19日〜10月26日)における全国のクマ出没および関連事案の総数は660件に達した。情報ソース別では、報道由来(URLあり)が385件を占め、自治体や独自報告マップ等の個別データソースからも多数の報告が寄せられた。北海道が93件で最多となり、次いで京都府が66件、栃木県が53件、埼玉県が41件、山口県が37件、兵庫県が36件、神奈川県が31件、福井県が28件、宮城県が22件、岩手県が19件と、北日本から東日本、近畿、中国地方に至る広範囲で高い出没密度が確認されている。

特筆すべき点として、人身被害キーワードに一致した事案が3件、都市部キーワード一致事案が29件、捕獲・銃猟関連事案が11件記録された。市街地や住宅街の直近、学校周辺での目撃が日常化しており、地域住民の生活圏とクマの行動圏が著しく重複している状況が浮き彫りとなっている。

都道府県報告件数主な出没地域・動向
北海道93件稚内市、士別市、枝幸町、清里町など広域で生活圏出没が頻発
京都府66件宮津市、舞鶴市、綾部市、福知山市など北部を中心に多発
栃木県53件日光市(人身被害)、足利市、佐野市など住宅街や庭先への侵入
埼玉県41件秩父市(人身被害、市街地出没)、ときがわ町、小鹿野町など
山口県37件周南市、萩市、岩国市など。イノシシ用くくりわな錯誤捕獲あり
兵庫県36件朝来市、香美町、神河町、宍粟市など山間部集落周辺で痕跡・出没
神奈川県31件秦野市弘法山公園周辺で捕獲および放獣後の再出没事案が発生
福井県28件坂井市、若狭町、あわら市などで目撃が継続
宮城県22件気仙沼市(有人島・大島での出没)、仙台市泉区、栗原市など
岩手県19件盛岡市(住宅街・公園)、大船渡市(中学校付近)、奥州市など

2. 今週の主要トピック

埼玉・栃木・山梨における人身被害事案の連続発生

期間中、人身被害が3件確認された。10月19日には埼玉県秩父市で男性がクマに襲われて負傷する事案が発生した(※1)。続いて10月21日には栃木県日光市の林道において作業員がクマに襲われ負傷した(※2)。さらに10月26日には山梨県市川三郷町において、93歳の女性がクマに襲撃されて負傷した(※3)。いずれも山林内や林道作業現場のみならず、人間活動が活発な地域やその周辺において発生しており、突発的な遭遇に対する警戒の必要性が強く示された。

神奈川県秦野市における捕獲・放獣後の再出没問題

神奈川県秦野市では、10月19日に弘法山公園付近でクマの目撃が報告された後(※4)、10月20日に弘法山公園付近および市街地近くの公園一帯でクマが捕獲された(※5、※6)。しかし、10月21日に市街地でクマの出没が報じられ(※7)、さらに10月25日には弘法山公園で放獣したクマが再出没したことが確認された(※8)。市街地近接エリアで捕獲された個体の放獣判断およびその後のモニタリングにおいて、再出没リスクの管理が極めて重要な課題として浮き彫りになった。

住宅街への侵入と果樹・農作物への強い誘引

市街地や住宅敷地内への侵入事案が全国的に多発している。北海道枝幸町では、10月25日に住宅街で保育所のハロウィン用カボチャがかじられ、住宅庭のリンゴが食害を受ける痕跡が確認された(※9)。栃木県佐野市岩崎町(※10)や東京都八王子市(※11)では民家の柿の木への登攀や食害、爪痕が確認されている。さらに島根県安来市荒島町では荒島小学校に近いカキ畑で成獣1頭が目撃されたほか、北海道稚内市緑6丁目(※12)、士別市(防犯カメラに体長約1.5mのクマが記録)(※13)、愛知県豊田市猿投地区や青木町(※14、※15)など、日常的な生活道路や庭先への侵入が連日相次いでいる。

錯誤捕獲の発生とわな管理の状況

捕獲・銃猟関連のキーワードに合致する事案が11件記録される中、イノシシ等の他獣種を対象としたわなへの錯誤捕獲が複数報告された。三重県大台町唐櫃の山林では10月19日および22日に相次いで錯誤捕獲が発生し、同町桧原では10月23日に許可捕獲が実施された。また山口県周南市大字八代では10月22日にイノシシ用くくりわなにクマが錯誤捕獲された。奈良県宇陀市榛原内牧でも同日に捕獲檻へ子グマが誤って捕獲されたほか、東京都あきる野市乙津では成獣のクマの捕獲が報告されている。

3. 地域別動向の詳細

北日本(北海道・東北)

北海道では93件の出没が記録され、全道各地で生活圏への接近が目立った。清里町の札弦駅付近(※16)や稚内市の住宅地(※12)での出没に加え、枝幸町の住宅街では農作物被害が発生している(※9)。東北地方では、宮城県気仙沼市の有人島である大島において、小学校近くや訓練会場付近でクマが目撃され、島内住民に不安が広がった(※17、※18)。岩手県では盛岡市の住宅街(厨川、西松園)やせせらぎ公園付近での目撃(※19、※20)、大船渡市の中学校付近での出没(※21)が確認された。秋田県小坂町では民家裏の樹上にクマが居座る事案(※22)や、秋田市内の市街地近接地域での痕跡確認が報告されている。

関東・中部

栃木県では日光市での林道人身被害(※2)に加え、足利市の住宅庭先(※23)や河川敷、佐野市の森林公園や農地(※10)など平地部・居住エリアへの進出が顕著である。埼玉県でも秩父市での人身被害(※1)のほか、荒川贄川や上影森、ときがわ町、小鹿野町で目撃が集中した。神奈川県秦野市での捕獲・再出没連鎖(※4〜※8)に加え、東京都ではあきる野市での出没・捕獲や、八王子市での柿の木食害(※11)が確認された。愛知県豊田市では住宅街での子グマや成獣の目撃が連続し(※14、※15)、静岡県富士宮市では駅周辺(身延線稲子駅、芝川駅付近)での目撃が相次いだ(※24)。

近畿・中国

近畿地方では京都府(66件)が際立っており、宮津市日置(※25)、舞鶴市、綾部市、福知山市など丹後・中丹地域で連日出没した。兵庫県(36件)でも朝来市や香美町、神河町、宍粟市で痕跡・目撃が頻発。大阪府豊能町新光風台の住宅街では道路横断事案が報告された(※26)。和歌山県高野町(高野山)(※27)や広川町、奈良県吉野町や天理市でも目撃された。中国地方では山口県が37件に達し、周南市や萩市椿東(※28)、岩国市で出没が集中。鳥取県鳥取市佐治町では山中での爪痕やフンが継続して確認され(※29)、島根県益田市(※30)や大田市、雲南市、安来市でも学校近隣や農地への出没が記録された。

4. 注目事案の時系列整理

発生日場所区分概要
10月19日埼玉県秩父市人身被害男性がクマに襲われ負傷(※1)
10月19日宮城県気仙沼市大島生活圏出没有人島・大島の小学校付近等で目撃(※17、※18)
10月19日大阪府豊能町新光風台都市部出没住宅街の道路を横断するクマが目撃される(※26)
10月20日神奈川県秦野市捕獲弘法山公園付近および市街地近くの公園で捕獲(※5、※6)
10月20日愛知県豊田市生活圏出没住宅街で子グマ等のツキノワグマ目撃が相次ぐ(※14)
10月20日栃木県佐野市岩崎町農業被害民家の庭先で柿が食害を受ける(※10)
10月20日東京都八王子市生活圏出没出没に伴い柿の木に爪痕を確認(※11)
10月21日栃木県日光市人身被害林道での作業中に作業員がクマに襲われ負傷(※2)
10月22日岩手県大船渡市教育施設周辺中学校付近でクマの目撃情報(※21)
10月22日秋田県小坂町上向生活圏出没民家裏の樹上にクマが居座る(※22)
10月22日山口県周南市大字八代錯誤捕獲イノシシ用くくりわなにクマが錯誤捕獲される
10月22日東京都あきる野市乙津捕獲成獣のクマを捕獲
10月24日島根県安来市荒島町教育施設周辺荒島小学校近くのカキ畑で成獣1頭を目撃
10月25日北海道枝幸町生活圏被害住宅街で保育所用カボチャや庭のリンゴが食害(※9)
10月25日神奈川県秦野市弘法山公園再出没放獣されたクマが同公園に再出没(※8)
10月26日山梨県市川三郷町人身被害93歳女性がクマに襲撃され負傷(※3)

5. 週次評価(リスク全体傾向と次週の警戒ポイント)

本集計期間における出没状況の分析から、全国的な出没件数(660件)の高止まりとともに、生活圏への執着傾向が極めて強くなっていることが確認された。人身被害が3件発生している背景には、作業林道や生活圏至近での偶発的遭遇が存在する。また、カキやリンゴ、カボチャといった人間側の管理下にある食物資源への誘引が、住宅街や学校周辺への出没を引き起こす主要因となっている。さらに、一度捕獲された個体の放獣後再出没や、イノシシ捕獲用わなへの錯誤捕獲の頻発など、個体群管理および捕獲運用上のリスクも顕在化している。

次週に向けた警戒および対策上の重点ポイントは以下の通りである。

  • 果樹・放置作物の速やかな除去: 柿やリンゴ、未収穫野菜(カボチャ等)がクマを生活圏に強く誘引しているため、敷地内および周辺の徹底した早期収穫や撤去を促す必要がある。
  • 通学路・教育施設および駅周辺の監視強化: 小中学校付近や駅周辺での目撃が複数報告されていることから、登下校時間帯の見回りや警戒アラートの迅速な発信が不可欠である。
  • 放獣判断基準の厳格化とモニタリング体制の再点検: 市街地近接エリアでの捕獲個体を放獣した場合、秦野市の事例のように再出没するリスクがあるため、個体状態の評価や学習効果を考慮した慎重な放獣判断が求められる。
  • 錯誤捕獲対策の徹底: イノシシ用くくりわなや箱檻への錯誤捕獲が多発しているため、設置基準の順守や錯誤捕獲時の安全な放獣手順の再確認が必要である。

参考文献

  1. クマに襲われ男性けが — news
  2. クマに襲われ作業員けが — news
  3. クマ襲撃、93歳女性けが — news
  4. 弘法山公園付近でクマ目撃 — news
  5. 弘法山公園付近出没のクマを捕獲 — news
  6. 市街地近くの公園一帯でクマ捕獲 — news
  7. 市街地でクマ出没 — news
  8. 弘法山公園で放獣したクマが再出没 — news
  9. 【クマ情報】保育所のハロウィン用カボチャかじる 住宅庭のリンゴも食害 北海道枝幸町 — dメニューニュース
  10. 【民家の柿が食われる】佐野市クマ目撃情報 2026.10.20【岩崎町】 — 館林くらし
  11. クマ出没、柿の木に爪痕 — news
  12. 住宅地近くでクマ出没 緑6 今年4回目 住民に注意喚起 — 稚内プレス社
  13. 【クマ情報】住宅の防犯カメラにクマ 60代女性がスマホの通知で確認すると体長約1.5mの1頭がのしのしと歩く姿 北海道士別市 — TBS NEWS DIG
  14. 住宅街で子グマを目撃 — news
  15. 住宅街でツキノワグマ出没 — news
  16. 札弦駅付近でヒグマ出没 — news
  17. 「急に出くわしたら怖い」住民2000人の大島 小学校近くでクマ目撃<宮城・気仙沼> — TVer
  18. 有人島・大島でクマ目撃 — news
  19. 【クマの目撃情報】盛岡市厨川2丁目 空き地に成獣とみられるクマ 岩手県(2026年10月19日掲載) — 日テレNEWS NNN
  20. 【クマの目撃情報】盛岡市西松園1丁目 路上を歩く子グマ1頭 岩手県(2026年10月19日掲載) — 日テレNEWS NNN
  21. 大船渡市の中学校付近でクマ目撃情報 — 岩手日報
  22. 民家裏の樹上にクマ — news
  23. 住宅庭先でクマ目撃 — news
  24. (静岡)富士宮市羽鮒でクマ出没 10月23日 — dメニューニュース
  25. クマ出没(京都府宮津市日置) — news
  26. 新光風台3丁目でクマ出没の可能性 — news
  27. クマ出没(和歌山県高野町高野山) — news
  28. クマ出没(山口県萩市椿東) — news
  29. 佐野市でクマの爪痕とフンを発見(鳥取県鳥取市佐治町) — news
  30. クマ出没(島根県益田市遠田町) — news

監修・編集
執筆
AI(大規模言語モデル)による情報集約
監修
獣医工学ラボ(リサーチコーディネート株式会社)
対象期間
2026年10月19日〜2026年10月26日
公開日
2026-10-27
最終更新
2026-10-27
データ範囲
くまウォッチ sightings.json (内部集計データのみ)

本記事は、くまウォッチが収集した出没データを LLM が分析・文章化した内容を、獣医工学ラボの獣医師が確認・編集の上で公開しています。事実関係に誤りを発見された場合は contact@research-coordinate.co.jp までご連絡ください。