日次レポート対象期間: 2026年10月29日·公開: 2026-10-30·研究・知見トップへ
都道府県別の出没件数2026年10月29日
北海道
12
京都府
6
山梨県
5
福井県
4
東京都
4
兵庫県
4
福島県
4
群馬県
3

ほか 11 県で計 20 件

期間内の合計 62 件(くまウォッチ収集データに基づく集計・単位: 件)

1. 概況と重要事案の分析

本集計期間における出没件数は合計62件であり、依然として全国的に高い水準を維持している。人的被害および捕獲・銃猟に関するキーワードの一致は0件であったが、都市部キーワード一致事案が3件確認されたほか、文教施設周辺や主要幹線道路での目撃・事故が発生している。

特に警戒を要する事案として、北海道札幌市豊平区の住宅街において深夜にごみ出しに出た住民が体長約1メートルのクマを目撃した事案が挙げられる(※1)。警察による警戒活動が継続されているが、密密集地への侵入は偶発的遭遇による人身事故のリスクを飛躍的に高める。また、北海道枝幸町では保育所に設置されていたハロウィン用の装飾カボチャが食害を受け、近隣の小学校付近でも個体が目撃された(※2)。人為的誘引物が定着や執着の原因となり、子どもの生活圏へ接近した典型例といえる。

さらに交通インフラにおける接触事案として、福島県福島市の国道115号で走行車両とクマの衝突事故が発生した(※23)。福島県白河市の市道でも体長約1.5メートルの個体が車両目前に出没しており(※22)、薄明薄暮時や夜間の幹線道路におけるロードキルおよび二次被害への警戒が求められる。

2. 都道府県別出没動向

地域上位都道府県報告件数主な出没態様・特徴
北海道北海道12件札幌市住宅街、保育所カボチャ食害、公園足跡
東北福島県(4), 岩手県(3), 青森県(2), 宮城県(1), 秋田県(1)11件盛岡市高校至近・市街地、福島市国道衝突、柳津町複数頭
関東東京都(4), 群馬県(3), 埼玉県(3), 神奈川県(3)13件東京都多摩地域、秩父市中学校至近、群馬県国道沿い
中部山梨県(5), 福井県(4), 新潟県(2), 岐阜県(1), 静岡県(1)13件大月市集中、小浜市昼夜目撃、北杜市バス停付近
関西京都府(6), 兵庫県(4)10件京丹後市集中、但馬地域(豊岡市・朝来市)の山裾
中国山口県(1), 広島県(1)2件下松市調整池付近、廿日市市山間部痕跡
四国・九州該当なし0件報告情報なし

3. 地域別詳細分析

北海道

北海道では計12件が報告され、全国最多を記録した。前述の札幌市豊平区(※1)や枝幸町(※2)の事例に加え、士別市の東7条北9丁目水郷公園付近での足跡確認、新得町上佐幌基線(※7)、留萌市大和田1丁目(※8)など、道北から道央、道東にかけて広域で出没が相次いでいる。都市緑地や公園、農地境界部を移動経路として利用している実態がうかがえる。

東北地方

東北地方では計11件(福島県4件、岩手県3件、青森県2件、宮城県1件、秋田県1件)が記録された。岩手県盛岡市では高校付近でクマ2頭の目撃情報が寄せられたほか(※19)、上堂4丁目の市街化区域でも目撃されている(※20)。花巻市東和町落合でも出没が確認された(※18)。福島県では柳津町で3頭同時の目撃情報や(※24)、白河市の市道横断(※22)、福島市の国道衝突(※23)など、移動中の遭遇事例が目立つ。青森県十和田市(※25、※26)、宮城県富谷市(※27)、秋田県由利本荘市(※28)でも定常的な出没が確認されている。

関東地方

関東地方では計13件の報告があり、東京都多摩地域から外縁部にかけての活動が顕著である。東京都内ではあきる野市(※14、※15)、奥多摩町白丸(※16)、青梅市柚木町(※17)で出没やその痕跡が相次ぎ、自治体による注意喚起が実施されている。埼玉県では秩父市荒川日野の荒川中学校北側約200m地点で地元住民による目撃があったほか(※5)、小鹿野町般若でも目撃された(※6)。群馬県では長野原町北軽井沢の浅間牧場交差点北側国道沿い(※3)や桐生市広沢町(※4)、神奈川県では伊勢原市三ノ宮、松田町松田庶子、山北町川西で痕跡が確認されている(※29、※30)。

中部地方

中部地方では計13件が報告された。山梨県大月市では花咲、七保町林、大月町真木と同一水系・隣接地域での出没が集中している(※11、※12、※13)。北杜市武川町山高ではデマンドバス乗り場付近での目撃があり、公共交通利用者の動線と交差した(※10)。福井県小浜市では和多田で午前8時30分に1頭、須縄で午後16時15分に幼獣1頭の目撃が報告されている(※9)。新潟県阿賀町平堀では畑地での目撃が複数報告された。岐阜県高山市上宝町(※21)や静岡県富士宮市長貫(芝川出張所南西100m)でも出没が確認されている。

近畿・中国地方

近畿地方では計10件が記録され、京都府北部と兵庫県但馬地域に集中している。京都府では京丹後市(丹後町宮、大宮町周枳、大宮町久住、大宮町森本)および福知山市拝師で目撃が多発した。兵庫県では豊岡市(三宅、出石町寺坂)、香美町小代区茅野、朝来市山東町粟鹿で出没が確認されている。中国地方では計2件であり、山口県下松市星が丘の調整池付近での目撃情報、広島県廿日市市吉和細井原での痕跡確認が報告された。四国・九州地方からの報告は0件であった。

4. リスク評価と今後の対策

10月下旬という時期は、ツキノワグマおよびヒグマにとって冬眠前の過食期(ハイパーファジー)のピークに該当する。個体はエネルギー要求量を満たすため昼夜を問わず採食活動を行い、行動圏を大幅に拡大させる傾向がある。この季節要因が、出没件数の高止まりに直結していると考えられる。

  • 誘引物の徹底管理:枝幸町のハロウィン装飾カボチャ食害に見られるように、農作物だけでなく季節の装飾物、家庭ごみ、放置果樹、調整池周辺の水生・植物資源が強い誘引要因となる。これらを生活圏境界から速やかに除去・遮断することが不可欠である。
  • 通学路・文教施設周辺の警戒強化:盛岡市の高校近隣や秩父市の中学校付近、枝幸町の保育所・小学校周辺など、若年層の生活動線への接近が目立つ。登下校時間帯における自治体・警察・学校連携の見守りとクマ鈴等の携行指導が推奨される。
  • 交通安全と薄暮時の警戒:福島市での国道衝突事故や白河市での市道出没の通り、山付きの幹線道路を横断する個体が増加している。ドライバーに対するハイビーム活用や速度抑制の啓発が急務である。

人間生活圏と森林域の境界部(里山・河川緑地)が移動コリドーとして機能している実態が各地域で確認されており、今後冬眠期に入るまでの数週間、地域住民と行政が一体となったモニタリングと防除管理が求められる。

参考文献

  1. 【クマ出没】札幌の住宅街に体長約1メートルの1頭がうろつく、深夜ごみを出しに外出した住民が目撃、警察が警戒活動続ける 札幌市豊平区 — Yahoo!ニュース
  2. クマがハロウィンのカボチャ食べる 北海道枝幸町の保育所 付近の小学校にも現れる — KSBニュース
  3. (群馬)長野原町北軽井沢でクマ出没 10月29日 — dメニューニュース
  4. クマ目撃 — ニュース
  5. (埼玉)秩父市荒川日野でクマ出没 10月29日 — dメニューニュース
  6. 般若でクマ出没 — ニュース
  7. (北海道)新得町上佐幌基線でクマ出没 10月29日 — dメニューニュース
  8. クマ出没 — ニュース
  9. 和多田でクマ出没 — ニュース
  10. (山梨)北杜市武川町山高でクマ出没 10月29日 — dメニューニュース
  11. クマ出没(山梨県大月市大月町花咲) — ニュース
  12. クマ出没(山梨県大月市七保町林) — ニュース
  13. クマ出没(山梨県大月市大月町真木) — ニュース
  14. 東京・あきる野市でクマらしき動物の目撃情報 市が注意呼びかけ — ABEMA TIMES
  15. (東京)あきる野市入野でクマ出没の可能性 10月29日 — dメニューニュース
  16. (東京)奥多摩町白丸でクマ出没の可能性 10月29日 — dメニューニュース
  17. クマ出没の可能性(東京都青梅市柚木町3丁目) — ニュース
  18. (岩手)花巻市東和町落合2区でクマ出没 10月29日 — dメニューニュース
  19. 盛岡でクマ2頭の目撃情報、近くに高校 — 岩手日報
  20. 上堂4丁目でクマ出没 — ニュース
  21. (岐阜)高山市上宝町蔵柱でクマ出没 10月29日 — dメニューニュース
  22. 車の前に体長1.5メートルのクマ出没 市道上で目撃 白河市 福島 — Yahoo!ニュース
  23. クマ車両と衝突(福島県福島市国道115号) — ニュース
  24. 柳津町でクマ3頭目撃 — ニュース
  25. クマ出没(青森県十和田市米田笊畑) — ニュース
  26. クマ出没(青森県十和田市滝沢指久保) — ニュース
  27. クマ出没(宮城県富谷市明石杉ノ入) — ニュース
  28. クマ出没(秋田県由利本荘市岩城二古向村) — ニュース
  29. クマ出没痕跡(神奈川県伊勢原市三ノ宮) — ニュース
  30. クマ出没痕跡(神奈川県松田町松田庶子) — ニュース

監修・編集
執筆
AI(大規模言語モデル)による情報集約
監修
獣医工学ラボ(リサーチコーディネート株式会社)
対象期間
2026年10月29日
公開日
2026-10-30
最終更新
2026-10-30
データ範囲
くまウォッチ sightings.json (内部集計データのみ)

本記事は、くまウォッチが収集した出没データを LLM が分析・文章化した内容を、獣医工学ラボの獣医師が確認・編集の上で公開しています。事実関係に誤りを発見された場合は contact@research-coordinate.co.jp までご連絡ください。